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遊学の道Project 2007年1月の活動報告

2007年1月20日~21日

 おのおのの会で檜原村神戸でイベントをした後、15時過ぎからの参加となった。コテージに着くと炭窯のところで女性が2人それぞれ窯に炭材を忙しそうに詰めていた。よく見ると石山さんと、数ヶ月前に参加されたことがある石山さんの同僚の根岸さんだった。その2人の後ろで、ちょうど来週のイベントの準備のため来られていた炭焼き研究家の草間さんが別の窯に炭材を詰めながら、2人にアドバイスを送っていられた。

程なく炭材が窯いっぱいに詰められ、蓋を閉じ、着火となるが、もう1人の参加者、麻帆ちゃんがまだ来ていないため、窯の中の状態を見せてあげてから着火ということで待つこととなった。実は麻帆ちゃんは先ほどのイベントに参加してもらったのだが、荷物を武蔵五日市駅に置いておいたそうで取りに行き、私はそのまま直行したのだった。辺りが暗くなり始める頃、麻帆ちゃん到着。のんびりしていると窯を閉じる時間が深夜となってしまうので、休む暇なく、窯の蓋を閉じ着火。
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 窯口に燃料の薪を入れ、ひたすらうちわを使い、風を送る。30分ぐらいすると自然に風の流れが出来て、後は30分毎に燃料を窯口に入れていくこと。窯の面倒を見ている間、草間さんになかなか会う機会がないため、炭焼きのやり方、炭材、詰める土、炭の活用、煙、草間さんのイベントと気になったことをあれこれ聞き、帰宅時間を延ばしてしまい、申し訳なかったです。石山さんは夕飯づくりのためコテージに入り、3人で草間さんの教えで燃料をバンバン入れ燃やし、温度計で温度確認を繰り返す。

 窯の薪燃料と一斗缶薪ストーブ焚きで暖を取り、作業の合間、仕事のこと、森のこと、将来のこと取り留めもなく話しする。普段話すことのない年齢も職業も違う人たちと火を囲み、時間を気にしないでのんびり好きなことを語り合えるのはYMPの魅力だ。
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 暖冬のため夜も余り寒くはなく、冬という気がしない。昨年も1月に炭焼きして、薪ストーブを焚いたところ地面が濡らしたようになって驚き、それは地面の水分が凍っていたのが溶けたためであることがわかったが、地面が凍る氷点下の寒さだったのを思い出す。

 80度から84度、90度と窯の温度が予定以上に上昇、温度計の計れる最高値200度を越えてしまった。どこかいつもと違う。でも手直しする術もわからないので、いつもの通り教えられたとおりに進めるしかない。少量の雪と雨が降ったり止んだりを繰り返す。ようやく煙が紫に近くなったので、蓋を開放し、ねらしをおこなう。1時間ぐらいしても煙は灰色がかって見える。このまま燃やせば灰になるかもしれない不安から、炭化終了とした。草間さんの注意事項として窯の蓋閉じるとき土を加えしっかり密閉することを言われていたのでそこだけをしっかり行って2時前に作業終了。不安と心配を抱き床につく。
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 朝が来て、朝食を取りながら、窯が冷えるのを待つ。10時を過ぎ、窯を開けると炭がオレンジ色になって燃えている。失敗だ。灰になる前に急いで掻き出し、土をかぶせ、消火させる。出来たものは想像していた堅く詰まった1本ものではなく、砕いたような形で軽い炭だった。これまで5,6回やっているが、なんとなく、よく分からないまま、炭材を窯に突っ込んで燃やし、燃焼時間、温度と煙をそこそこ確認し、炭化が終わたような感じになったら蓋をしてお休みして、翌朝窯の中が冷えたら蓋を開け、炭材を取り出すことで、なんとかまあまあのものが出来ていた。今日も何とか出来るだろうと鷹をくくっていたが、甘かった。もうそろそろ、しっかり炭焼きをしてもいいものをしないから罰を与えるとでもいわれてるようだった。女性の前でいいカッコしたいと心が動き、慣れてるんだと乱雑に蓋閉め作業をしてしまった結果、窯と蓋の間に詰める土に隙間が出来て、空気が入った。単純な初歩的ミスだった。人から「大胆に体は動かしつつ、心は繊細でいるように」と言われるが、自分自身コントロール出来ない。動きが恐縮して縮こまるか、粗っぽくなるかのどちらかになってしまう。とにかく失敗から学んでいくしかない。
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 「炭焼き作業は炭材集めるのが9割、あとの1割が炭材を窯に入れて作業でわけはない。とにかく炭材集めるのが一苦労だ」と草間さんは言う。でも炭焼きの度に窯や蓋、痛んでしまい、窯を塞ぐ土も焼く度に焼けて量が少なくなっていくことが気になる。大変迷惑をお掛けして申し訳ない。また、使わせていただき有難うございます。草間さんが炭焼きしていた別の窯を開けて見てよいということであったので、開けて見させてもらう。さすがに形よく綺麗によく焼けて堅い。
 
 炭が十分にさめた後、土と炭をふるい分け、さらに形のよいものと砕けたものに仕分けして、持ち帰りたい分を各自が袋に詰める。持ち帰りは人数が少ないため少量で、余った炭は田中家で使うとのことでおいて置いた。

 コテージを片付け、時間があったので林道開設現場に向かう。そこで開設のために伐られた55年生の切株に立つと谷側には伐倒され、玉切りされたまま無造作に重なり合っている。その下にアジサイの路が見えた。林道用地幅(12m位)から見ると遊学の森の路(1m位)は10分の1で枝ほどにも見えない。人力と重機の仕事量に愕然とし、これまでの時間と手間を思うと脱力感を起こす。この林道開設が良かったのか、悪かったのかは数十年後、利用者が判断を下すことだろう。山村経済と環境保全は今まで実感としてなく、よそごとと感じていたが、これを機会にテーマとして考えていかなければいけない。

(文:田辺康司) 
by YMP_log | 2007-01-20 12:34 | 定例活動の報告
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