遊学の道Project 2006年10月の活動報告

2006年10月7日~8日

 2日続いた雨は、どうにも気分を憂鬱にさせる。そんな金曜日の晩の気分を引きずったままだったのが祟ったのか、雨の上がった土曜日、駅に着いたところで忘れ物に気づいてしまった。
 このまま電車に乗っていくか、それとも家に戻るか……。戻ればバスには間に合わない。けれど、このままでは日曜日の帰りに職場に寄れず、仕事ができない……。仕方なく家まで戻り、鍵を取って引き返した。バス1本遅れ確定。
 家で時間をつぶし、立川へ。

 ところが、中央線が遅れていたらしく、立川についたら乗り継ぐはずの青梅線が既に発車した後!えっ?!中央線と青梅線って、乗り継ぎ待ちないの?!確か、武蔵野線待ってて遅れたハズなんだけどっ!と言っても、行かれてしまったものは仕方ない。これで、バス2本遅れ確定。
裕子さんに連絡し、今度は立川で時間をつぶして、ようやく五日市に辿り着いた。

 五日市で、らーに会った。今日は、和楽(太鼓)の練習日とのこと。バス停には、去年からShall We Forestに来てくれている大学生のケントもいた。この日、コテージでは、北見さんが受けている中野区の子供たちのキャンプも開催されており、彼はその手伝いに来たそうだ。
目的は違うのに、同じ場所に行く三人。しかも、全員遅刻して同じ時間のバスに乗ることになっている。そんな奇妙な縁?をおかしく思いながら、バスに揺られて馬場に着いた。

a0079265_0103799.jpg 裕子さんに話を聞くと、田辺さんは既に植物調査のため山に行き、真瀬さんは和楽で練習中。この日の参加者は以上のため、一人で道具を持って山に向かう。
 2日間降り続いた雨は、川を増水させ、水土里の橋の下の川原を飲み込んでいた。白く濁った水が激しい勢いで流れる。橋を渡ってすぐの野村山の谷は、案の定、沢になっていた。「遊学の森入り口」の橋を渡った道にも水が流れている。雨の後には、いつもと違ういつもの光景がある。

 アジサイの広路のカーブを曲がると、白いビニールテープが見えた。
「あ……」
それは、林道が入る場所の印だ。
もうまもなく、この遊学の森の真ん中を林道が入る。それは、ずいぶん前から惣次さんに言われて知っていたことだった。
遊学の森の奥、炭窯跡の先や体験の森ゾーンは、これから伐期に入る。材を出すために必要な道なのだとわかっているけれど、この場所のこの風景が見られるのがあとわずかだと感じると、さみしい気持ちになる。そのラインの中に、150年生のスギが入っていた。この子も伐られてしまうのか……。なんだか、やるせなかった。

 ソロの奥路の続きを補修するつもりだったが、それより手前、カヤの岩路のガレ場の上のカーブの先で足止めをくらった。
倒木が路をふさいでいる。路の真ん中で半分に切り、片方を道下に避けたはいいが、先端のほうがスギの枝にひっかかっている。元を持って引きずったが、全部は落ちずに股に入ってしまった。太いところを切るのが大変だったので、なるべく細いところと思ったら、中途半端な宙に浮いている部分を切ることになってしまった。
 不安定な体勢はさすがに怖い。材がどう動くかわからない。ひとりの作業は慎重になる。上から歯を入れ、食ったところで下から入れ直し、わずかなつるを残して蹴った。なんとか自分に被害もなく、倒木処理は終わった。自分しか頼れないのは、力じゃなく技を考えるにはいい機会だ。さて上へ……と思ったところでストップ。カーブの先には、更なる倒木があった……と見たら、それはさきほど切った木の元の部分だった。路上には、幹を失った枯れ木が立っている。この2日間の風で倒れたのだろう。元の部分は、重いながらも向きを変えて転がすだけで、路脇に外れた。
a0079265_0112547.jpg 時間的には1時間もなかったはずだが、大仕事をした気分に満足し、ホッと座り込む。
 風は今日も強い。葉の揺れる音が、強弱をつけながらメロディーのように流れる。よく聞くと、音がひとつだけでないことがわかった。サワサワという音の中に、シャラシャラという、少し長めの音が混じっている。音を探して見上げると、遠くに実をつけたソロらしきものが目に映った。きっとあれの音だろう。もしかしたら、鳥の鳴き声のように、葉擦れの音も聞き分けられたりするのかも知れない。
 森の音楽会をゆっくりと楽しみ、作業にも満足して早々に山を下りた。

 コテージでは、子供たちが夕飯の準備に取り掛かっていた。
こちらも夕食準備に取り掛かる。真瀬さんと田辺さんが戻り、イベントで笛を吹くつんつん(の車)待ちというらーも引き込んでシチュー丼の夕食。終わった後でつんつんの笛を聞きに行った。

 夜、惣次さんと林道の話になる。
「あの木は伐らないよ。黄色いテープを巻いた木は伐るなって言っておいた」
という言葉に安心する。いずれ伐るために育てている木ではあるけれど、でもその時は、生きた時間以上に大事に使われる時であって欲しいと願った。

a0079265_012824.jpg 翌朝、真瀬さんは花咲きの稲刈りに向かい、田辺さんは調査の続き。私は、この日来る根岸さんを待って作業に向かった。
 初作業の根岸さんと女性ふたりで、昨日できなかった目的の奥路で補修をする。土留め用の材は、何本か先月の余りがあったため、途中まではするすると進んだが、すぐに材不足になる。仕方がないから尾根まで取りに行こうか……と足を運びかけた時、その途中の展望広場でふと気づく。ここには、数年前にベンチを作るために運んでそのままになっている材がある。このままにしておいては朽ちてしまう。ベンチを作る予定も、そのまま流れている。ラクをしつつ、材の有効利用のため、それを運ぶことにした。
 午前中はカケヤを持ってきていなかったので、昼休みに取りに行き、午後からは杭打ち作業を始める。男性陣がいると、いつもお任せ状態になっていたので、杭打ちは久しぶりだ。
 土留めを敷いた後、段が大きく落ちている部分の足場づくりに入る。路を横切る根と岩に阻まれ、なかなか思うように作れない段にてこずりながらも、ふたりで工夫してなんとか足場を作り、作業終了。

 なんだか久しぶりに、落ち着いて遊学の森と向かい合うことができた、なかなか(自己)満足度の高い2日間だった。

(文:石山恵子)
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by YMP_Log | 2006-10-07 12:34 | 定例活動の報告
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